外交なき戦争の終末
- 作者: NHK取材班
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1995/08/08
- メディア: 文庫
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南部仏印に進駐するときには「これくらいなら戦争にならないだろう」と進駐し、戦争をはじめるときには「もしかしたら何とかなるかもしれない」と始め、戦争に行き詰ったら「ソ連なら和平の仲介をしてくれるのではないか」とやはり根拠なく考える。独ソ戦に勝利したソ連が、ドイツと同盟を組んでいた、今や戦争に負けそうな日本に好意的に振舞ってくれるだろうと考える。
客観的にみるとキチガイ沙汰だが、これに類する思考法は今の日本の卑近な場面にいくらでもある。
自分の願望どおりに現実が動いてくれるだろうという考え方だ。
こういう思想が広く根付いている理由はどの辺にあるのか非常に興味がある。
平安貴族がまじないを本気で信じていたことを連想させることではある。